2020-01-01から1年間の記事一覧

浮かぶような日々を

鴨が水面に浮いていた。揺蕩うとか言うのが正しいのかもしれないが、直感的に、あ、浮いている、と思った。秋の池は透明度が低いからだろうか。ぼうっと気を遠くにしていると、紅葉を待たず落葉してしまった葉と、自我があるのかないのかわからない眼差しを…

幸せ恐怖症

わたしはいつだって何かを恐ろしく感じ、忌避していると思う。きらきらと輝くものなんて特に怖いのだ。 明るい人が怖い。明るいまま過ごすなんてわたしには苦行だから(無意識に偉いなあって引け目を感じてしまう)。明るい家庭が怖い。わたしはそんなの馴染…

外に閉じこもって朝が来て

人の心の内など見えない。それは己のものであってもそう。ふっと見えなくなる時が来るというよりは、見えることの方が稀有だと思っている。何か食べ物を買うためにコンビニに来たのに、空腹なのに、ここにわたしの欲しいものはないので買わない。それと似た…